ヨシムラKYBのリアサス 2010/2/20(2010/3/14 追記)

 
1.はじめに

新しいSRXに付いていたリアサスは、初期型SRX600のサブタンク付きをオーバーホールしたもの。

オイルをちょっと固くしているとの事で、これが本来の純正サスの能力なんだと感動するぐらいにしなやかな乗り心地になっていて、普通に走っている分には不満なんかさらさら無い。

でも、自分の能力の限界近くまで攻め込むと(マシンの限界じゃないけどね)、だんだんと落ち着きの無いばたばたとした動きになって来て、不安がある。

これはやっぱりオーリンズに替えた方が良いかなぁ、とオークションを漁っていたのだが、もう一つ出物が無く。ちょっと別の物もと探した時に目についたのが、ヨシムラKYB(カヤバ)のリアサスペンション。片側のコケ傷と、それに伴う錆が気になったが、天下のヨシムラのサス、それもガンメタに赤いコイルと言う格好良さに引かれてしまい、つい、勢いで落札してしまった。

 
2.クリーンアップ

これが落札した時の状態。片側のコイルとサブタンクにはコケ傷がガリガリガリっと入っており、ロッドの下の方、バンブラバーのあたりに点錆が浮いている。下側のボルト穴のカラーも一つ無かった。

ただしロッドの曲がりもオイル漏れも無く、機能的には問題が無い感じなので、一回ばらして汚れを落とし、コイルを塗り直して使う事にした。

コイルの塗り直しはパウダーコーティング(粉体塗装)に出す事も考えたが、まだちゃんと使えるかどうか分からない物にそこまでのお金を掛けるのも何なので、ホームセンターでウレタン塗料を使用。

またカラーは前のSRXのサスを直す時に購入した中古のサスから外して流用。

分解には、前のSRXのリアサスをクリーンアップした時に使ったスプリングコンプレッサーを使おうと思ったのだが、長さが足りなかった。

新しいコンプレッサーを買うとも思ったけど、それも勿体無いので、元のスプリングコンプレッサの爪部分だけを使い、ホームセンターで長いボルトやロングナットを買って来て、半自作スプリングコンプレッサーを作る。

元の奴より使いやすい(笑)。

純正のサスはそれほどコイルを縮めなくてもカーラーを外す事ができたのだが、このサスは大分縮めないと外れない。

とにかく地道にロングナットを締め込んで行き、2本のサス共コイルを外す。

ようやくコイルを外し終わる。ショックアブソーバーの本体はアルミダイキャストか何かっぽいのだが、リングナットが嵌まっているパーツは叩けばチンと鳴る、しっかり焼きの入った高そうな作りをしている。

ばらし終わったら、汚れと錆び落とし。カーラーの等はワイヤーブラシで落とし、他はパーツクリーナーで洗う。

やはりこけ傷のある側の汚れと錆がひどく、ロッドのバンプラバーに隠れた部分には、ちょっときつめの点錆が出ていた。

ここまでサスが沈む事も無いので、ワイヤーブラシで錆を落とした後、耐水ペーパーで表面の引っかかりを取り、ピカールで磨き込む。

最後にロッドの根元にシリコングリスを塗り、軽く揉み出しを行ってクリーンアップ終了。

次にコイルの再塗装。

パーツクリーナーで油汚れを落とし、洗剤で洗って乾かして、シリコンリムーバーで脱脂した後、針金で吊ってスプレーで塗装。

強めの塗膜のタイプを買ったので、たっぷりと吹き付けて乾燥を繰り返し、傷を目立たないようにした。

仕上げにクリアを噴いて、1週間程乾燥。

コイルの塗料が完全に乾いてから組み付け。

粉体塗装と違って塗膜が柔らかいので、スプリングコンプレッサーの爪に布を噛ませる等気をつけたのだが、それでも一部に軽く傷がついてしまったのが残念。

でも、新品とは言えないけど、大分見栄えがする仕上がり。

 
3.できあがり

車体が黒なので、サスペンション本体のガンメタがマッチし、そこにヨシムラレッド(塗り直しているので絶対に違うが(笑))がアクセントになって、非常にかっこいい(爆)。

で、乗り味なんだが、か、固い!!

固いけど突き上げて来るような感じは無く、路面の凹凸を短いストロークでスタタタタっと吸収しているという感じ。

これはストリート用のサスじゃなく、完全にレース用サスだわ (^^; 。

また、固くて沈み込みが少ない分、コーナリング時にフロントで回って行くような感じが強くなる。ノーマルだとリアを沈ませてぐいっと回って行くという感じがあるんだけど、それとは違った感覚で、最初は戸惑った。

これはちょっと求めている物と違うかもしれない (^^; 。

でも見栄えは抜群だし、一度フロントの突き出し量を替えて、フォークをもっと寝かせてみるか。

 
4.調整 (2010/3/14 追記)

その後しばらく乗っていたんだけど、やっぱりサスの突き上げがきつくて仕方が無い。

イニシャルを最弱にして漸く乗りやすくなったけど、それでもちょっとした段差でお尻がごつんと蹴り上げられたようになる。

なので一度ノーマルに戻してみたんだけど、不思議なもので、それまでは十分にしなやかに感じていたはずのノーマルサスが、ヨシムラKYBを体験した後は、妙に落ち着きがなく、ふわふわしているように感じられた。

これはもうオーリンズに走るしか無いのか?と感じ始めていたのだが、シートを張り替えて非常にラグジュアリーな座り心地になった時に、もしかしたらこれでゴツゴツ感が吸収されるんじゃないか?と思い、再度ヨシムラKYBを装着。

結果、以前のゴツゴツ感は大分形を潜め、しっかり感が前面に顔を出して大分乗りやすくなった。これでいけそうやん。

また伸び側の減衰率調整は4段階中の3(強)にしていたのだが、これを2(弱)に落としたら大分しなやか感が出て来ていい感じ。

結構ええやん、ヨシムラKYB(笑)。