新しい SRX 600 2009/12/14(2010/3/18 (諸元変更))

 
1.はじめに

2009/10/30(金)。天気の良い日でした。

車検が 11/1 で切れるので、ギリギリになってユーザ車検に持って行ったのですが、その帰りに赤信号で停車している時、後ろから車に突っ込まれ、無惨にも SRX はフレーム破損、フロントフォークまで歪んで廃車となってしまいました。

本当は修理したかったのですが、フレームもフォークも、ほとんどの部品が出荷停止状態で部品が手に入りません。

そうなると中古車を買ってドナーにするしか無いのですが、元のバイクはエンジンぐらいしか使え無いため、ドナーというよりも、その車体にエンジンだけ移植する様な修理になってしまいます。

その為には変な不動車じゃなく、フレームも足回りもしっかりしたまともな車体を手に入れなければならないのですが、ツインショックの SRX は製造中止から既に20年近くが経っています。

モノサスの4型ならばかろうじてまだ球数はあるのですが、1〜3型は全国を探しても数台しか売り物がありません。

それらもどんな状態であるのかさっぱり分からず、且つ微妙な改造車両が多く、ヤフオクで流れているのもちょっと怪しげな改造車両ばかりです。

そんな訳の分からない車両を使って修理なんかできないし、そもそも嫌だ、と思っていた所、悪い知り合いから「ハヤシカスタム」なら修理に使えるまともな中古車両を持っているんじゃないの?と言われたのです。

と言う事で、駄目元でハヤシカスタムに電話をして相談してみた所、それならちょうど良い中古車がある。またせっかく良く走るまともな車両をばらして部品を載せ換えるなんて事は勿体無いので、その車両に元のバイクからミラーの1本でも付け替えて「修理した」という事にしちゃえば良いんじゃないの、というアドバイスを貰ったのです。

そりゃそうだという事で、保険屋さんと交渉。

最初は全損扱いで買い替えだと査定額(10万程度)しか出ない云々と渋っていたのですが、あくまでも修理をしたいのだし、部品が無い旧車だから程度の良い中古車両を手に入れるしか無く、まともな中古車両となるとハヤシカスタムのような旧車を扱っている専門店できちんと整備された車両が必要だという線で攻めて行った所、保険の修理金超過特約ぎりぎりぐらいまでの金額提示でなんとか手打ちとなりました。

 
2.バイク選び

で、肝心な新しい車両です。

根本的に他のバイクに乗り換えるつもりは全くありませんでしたので、当然次の車両も SRX 600 です。

ネットの中古車情報もオークションも、やはり安心出来るような車両はありませんので、ハヤシカスタムの車両が第1候補です。

その時点でハヤシで持っているツインショックの車両は2台。1台はHPにも掲載されている 600cc で、ホイールをシングルディスク化して、スイングアームとリアサスを変更、エンジン周りは FCR と SPII、そしてオーバーのマフラーと言う手堅い弄り方をしたきれいな車両です。

そしてもう1台は、初期型 400cc の車体に 635cc + ハイカム仕様のハヤシカスタム謹製チューンドエンジンを載せた車両です。リアショックはノーマルですがオーバーホール済みで、フロントにはPDバルブが入ってます。

ここが悩みどころですが、今まで乗っていた SRX の不満点として、一つはサスペンション、フロントの軋みとリアの暴れで、もう一つはエンジン回転の頭打ちでした。

サスについては、フロントはオーバーホール、リアは中古のオーリンズを入れようと思っていたのですが、エンジンについてはヨシムラのST1を入れたくとも物が無く、ハヤシカスタムのカムがあるけど結構な値段がする、その前にヘッドガスケットが欠品らしいと、ほとんど諦めていたのです。

と言う状態で目の前に提示された「ハヤシカスタム謹製チューンドエンジン」と言うのは、目の前に燦然と輝いて離れなくなったのでした(笑)。

とはいえ、バイクを弄るならまず足回り。HP掲載の車両はその辺りがきっちりしていそうだったので、2両合わせて問い合わせてみた所、神の采配なのか悪魔の所行なのか、HP掲載の車両は手が付いてしまって、残っているのはチューンドエンジンモデルだけなのでした。

と言う事で、ほぼ悩む事無くこの 1JL 改( 1JL の改造申請版)を契約する運びとなったのです。

 
3.色々手続き

取り敢えず車両は決定したのですが、お金がない事には話になりません。保険会社から保険金が下りるのを待ち、水曜日( 11/18 )に下りたので、その夜にハヤシカスタムに振り込み。

金曜日( 11/20 )にハヤシカスタムから書類一式(車検証、任意保険証書、委任状、譲渡証明書、旧ナンバープレート)が届き、週明けの 11/24 火曜日(月曜日は祝日だったので)、午前中会社を休んで魚先の神戸運輸管理部兵庫陸運部まで手続きに出かけました。1ヶ月の間に車検と名義変更の2回も行く事になるとは (--; 。

自分側で用意をする物は、居住が確認出来る住民票と、認め印です。

四輪車は実印や印鑑証明、車庫証なんかが必要ですが、二輪には不要です。

名義変更の手続きとして、まず新庁舎で申請用紙を一式買います(60円)。そしてナンバープレートに張るシールの再発行手数料を納めます(300円)。これは古いナンバープレートのシールを剥がして使う場合には不要です。

次に旧ナンバープレートを窓口に返却し、旧庁舎に移動して、壁に貼られた記入サンプルを探し出して、それを見ながら申請帳票の記入です。OCRシート(鉛筆書き)と普通の書類(ボールペン書き)の2種類(計4枚だったかな?)があり、サンプルには四輪車と二輪車、また名義変更や登録抹消等がありますので、帳票の形式や種別番号をたよりにうろうろしながらサンプルを探して記入します。(書かなくていい部分が結構多くて、逆に戸惑った)

ちなみに新しい持ち主の住所はOCRシートに「住所コード」で書くのですが、このコード票はひもで繋がれたぼろぼろの物が無造作にテーブルの上におかれています。事前に「コード票で調べる」という情報を仕入れていたので特に焦りませんでしたが、知らずに行くとここでパニクるような気がしました。

帳票を書き終わったら受付窓口横のクリアケースに委任状やらと一緒にはさみ、受付ボックスに投入します。

特に問題がなければ、しばらくして発行窓口で名前を呼ばれ、新しい車検証とナンバーの引換証、一緒に挟んでおいた任意保険の証書を渡されて、処理完了です。この間5分程度。

最後にまた新庁舎に行き、ナンバープレートの引き換え(販売?)窓口でプレート代520円を納め、プレートを貰ってすべての手続きは終わりでした。

一番時間がかかったのはサンプルを探しながらの書類書きですが、それを入れても1時間足らずで終わってしまいましたねぇ。

車検の時ももそうでしたが、最近の役所の窓口業務は親切で早くなったように思います。

ところで、発行された車検証を見ると、登録番号の所に見慣れない「C」の文字がありました。

貰ったナンバープレートにも「C」の文字があり、もしかして改造車両なので「C」が付いているのか?とか思っていたのですが、ただ単にひらがなを使い切ったので、「英字+ひらがな」になった様ですね。

ただ、2年前にナンバーを取得した時にはまだ「せ」だったのに、もう使い切った?

んなアホな。

 
4.バイクの発送と受け取り

名義変更が終わって、新しい車検証とナンバープレートができましたので、早速車検証をハヤシカスタムにFAXします。そして水曜日(11/25)に「BASの厚木デポに持って行きました」の連絡がありました(早!)。

納車予定は 11/30 の月曜日だったのですが、BASHPを見ると「最短3日」となっていましたので、もしかしたら土曜日に届くかとちょっとドキドキ。
でも土曜日の11時前になっても 電話は掛かって来ず、これはやっぱり月曜日かと思って出かけたのですが、夜になって家に帰ると留守電にメッセージが!
12時過ぎに,BASから「届いてます」の電話がかかって来た様です(残念)。

日曜日はBASが休み、月曜日は仕事の都合がつきませんでしたので、12/1 の火曜日に、BASの関西デポまで取りに行く事になりました。

土曜日ならその近所に住んでいる友達に連れて行ってもらおうと思っていたのですが、残念ながら平日。電車を何本も乗り継いで、最後は駅からタクシーでデポまでたどり着いたのです。

行く事を告げてあったので、デポに付くと既にバイクは用意されており、鍵を渡されて外観をチェックし終わったら、受取書にサインをして引き渡し終わりです。

早速持って行ったナンバープレートを留め(アルミのプレート台が付いてたのがうれしかったですね)、タンクキャップを開けてガソリンの量を確認するとほぼ一杯に近く。キーを差し込んでひねるとヨシムラのマルチメータに灯が入り、電タコの針がカチッと振れて気分を盛り上げます。

ガソリンコックがPRI、ギアがニュートラルに入っている事を確認し、チョークレバーを押し込みます。キルスイッチが中途半端になっていたのをRUNに入れ、ステップを折り畳んでキックペダルを踏み込むと(軽い!)、あっけなく一発で始動。

ノーマルマフラーだという事もあってか、「これは本当に635cc+ハイカム?」と思わせるような軽い排気音をたてて、ブラックSRX君は静かにアイドリングしているのでした。

 
5.ファーストインプレ

それでは家に帰るべく走り始めたのですが、もう初っ端から違和感が。

今までは2000回転前後を使っていると、エンジンが上下している感じと言うか、ドンドンドンドンとチェーンにエンジンの回転が伝わっている感じがあったのですが、今度のブラック君はほとんどそれを感じず、何かスルスルスルというか、ヌルヌルヌルっといったような感じで走り始めます。

今までのようにアクセルをひねるとゴンゴンゴンゴンとトルク感たっぷりに加速し始めるのではなく、ヌ〜ッと滑らかに加速して行き、何か90度Vツインに乗っているような感じです。

加えてアクセルオンでフロントが伸び、オフで沈むという感じが全く無く、車体の剛性が上がったような、特にフロント周りの剛性が上がったような感じがします。

こ、これが連邦軍のモビルスーツ ハヤシカスタムチューンの威力なのか?

でも、ウッヒョッヒョォ〜と思いながらブレーキを握ったところ、

き、効かぬ、効かぬのだ!! トキよ!

いつものようにブレーキレバーをすっと握っただけでは全くスピードが落ちず、ぎゅっと握り込んでようやくブレーキが効き始めます。

おまけにエアーを噛んだような柔らかなタッチで、握り切ってしまうんじゃないだろうかという恐怖感があります。

しばらく走りながら試してみたのですが、ディスクローターなのかパッドなのかキャリパーなのか、とにかくタッチが柔らかく、且つ初期制動が非常にナローです。

握り込んでいったらググ〜ッと効き始めるのですが、最初の掛け始めが全然効きません。

これはちょっと慣れだなぁ、マスターシリンダーをラジアルポンプに換えたら変わるかな?等々思いながらのんびり目で帰宅したのでした。

帰りは阪神高速で帰って来たのですが、追い越し車線に入る時にも、スロットルをくいっと捻るだけで楽々加速しますし、今までのようにエンジンの回転が上がるとガガ〜ッとうなり始めるという事がありません(まだ目一杯まわしてませんが)。

この辺りが635ccのボアアップとカムシャフト交換の威力なんでしょうねぇ。

また轍やギャップを乗り越えた際、今まではフロントやリアが暴れたり、ちょっと持っていかれたりしていたのですが、ブラック君は強制スピードダウン用の薄いカマボコ加工カーブに入っても安定してます。この辺りがへたったノーマルサスと、オーバーホールしたサスの違いなのかな。

と言う訳で、ブレーキ以外難点の無かったブラックSRX君ですが、細かいところでは古さもあって色々対処が必要な部分もありそうです。

まずはヘッドライトを付けたままアイドリングをしていると、ヨシムラのマルチメータの電圧警告灯が点灯します。

走行中は14.1Vであるのが、停止するとすーっと下がって11.5Vとかになりますので、どうもバッテリーが死んでいる様です。

次に、シートが結構ぼろぼろです。これはもう張替えしか無いですね。

チェンジペダルのゴムとかボロボロのがあります。これも交換かな。

取り敢えず、次の休みに色々確認してみないといけないですね。

YAMAHA SRX-6 YAMAHA SRX-6
 
5.購入時の諸元のような物
1. 車体
2. エンジン
3. 吸・排気系
4. サスペンション
5. ブレーキ
  • フロントディスクロータ:サンスター 298mm ステンレスディスク
  • フロントキャリパ:ブレンボ削出し異径(30/34) 4pod (旧型レースキャリパ)
  • フロントブレーキパッド:カーボンロレーヌレースパッド
  • フロントマスターシリンダ:R−1のセミラジアル(ヤマンボ)
  • フロントブレーキホース:ステンメッシュ
  • リアディスクロータ:サンスター 245mm ステンレスディスク
  • リアブレーキパッド:FERODO PREMIER DMX-GG
6. クラッチ
7. メータ・灯火類
8. ホイール・タイヤ
  • ホイールは初期型純正6本スポーク再塗装、バフ仕上げ
  • フロント BT45F 100/80-18M/C 53H
  • リア BT45R 120/80-18M/C 62H