ヘッドライトハーネスの作成 2009/10/12
2009/10/17 高効率バルブ追加 2009/10/18 コネクター修正追加 2009/10/25 ハイワッテージバルブ追加

 
1.はじめに

もうすぐ車検。ユーザ車検でいくつもりだけど、同じように SRX (4型だけど)に乗っている奴から、SRX は古いバイクだからライトの光量不足で引っかかる可能性があるというのを聞き、光量アップ作戦に打って出る。

最初は高効率バルブに換えるだけにしようかと思っていたのだが、特に古いバイクはヘッドライトへの配線が細く、電流供給量が不足して思いの外光量が上がらないというのを聞き、バッテリーから直接電力を供給する為のヘッドライトハーネスを作成する事にする。

 
2.さて、やってみよう

回路図という程ものもじゃないけど、下がそれ。

リレーは MOS FET 等のソリッドステートを使えば小型化&低価格化出来るのだが、部品点数の削減と動作の確実性を狙って、機械式リレーを使用する。
(本当は、作るのが面倒だったのと、エーモンから小型リレーが発売されて使えそうだったので、というのが理由(笑))

今更説明するまでもないが、元々のヘッドライトバルブに繋がっているH4のコネクターには、GND(バッテリーのマイナス)の線と、HI、LOそれぞれの点灯時に12Vが供給される線がきている。で、この線があっちこっち引き回されている上にあまり太くないので抵抗値が大きくなり、ヘッドライトに十分な電流が供給されないらしい。

ならばその電流を利用してリレーをON・OFFし、バッテリーから直接、太いケーブルでヘッドライトのバルブに電流を供給してやろうというのが、ヘッドライトハーネスの考え方。

ものすごく単純なもの。

 

何はともあれ、エーモンのコンパクトリレー(10A)と、デイトナのH4バルブ用コネクターセット(オス・メス)。

高効率のバルブを使っても、一応 60W/35W と言った消費電力なので、10A のリレーで十分なはず(60W で 5A)。
10A だと、計算上は正味の 120W までいけるから、ハイワッテージを入れてもOK(笑)。

ところでこのエーモンのコンパクトリレーだが、リレー本体がコンパクトなのは良いとして、リレーを包んでいる収縮チューブが固く、且つ特に電線の取り出し口が中途半端に収縮させてあって防水性も0と、非常に使い難い。

全部剥いてケースに入れてやろうかと思ったが、それなら最初からパーツ屋で小型リレーを買ってきた方が楽なので、線の取り出し口の不要なチューブをカットするだけにした。

 

ヘッドライトからバッテリーの所まで、リレーのON・OFF信号用細線3本、バルブの電源用太線3本を引っ張ってくる。

エンジン上部は熱等から保護する為の樹脂管をはめ、その前後はビニールテープでぐるぐる巻きにした。

この時点では、「如何にもハーネス」という感じで悦に入ってたのだが。

ヘッドライトケースには3つ穴があいているので、ここから見ると左下の穴から線を通してくる。

ケースの穴はゴムブッシュがはめ込んであるのだが、こいつが劣化してべろんべろんになっている。

でもこれだけでパーツ取りはできないし、そのうちにリフレクター式に交換か?

通した線にコネクタの端子を圧着し、コネクタに挿入する。

コネクターの根元付近まで保護用にビニールテープを巻いたのだが、妙にタイトになってしまって動かし難い。

ちなみに、元々のヘッドライトハーネスは以外と太く( 1.25sq ぐらい?)、しっかりしたものだった。

もっと細いものが来ているのかと思っていたので、結構意外。

この日は時間がなく、この後大急ぎでライトが点灯するとこまで作ったのだが、もうやっつけ仕事状態でごちゃごちゃ。

リレーとの接続はギボシ端子を使ったのだが、本数が多いので雑然としているし、繋ぐのも抜くのも大変。どれかが緩んでも調べるのに苦労しそうという状態。

それよりも問題だったのは、ヘッドライトに入ってくる側の線をビニールテープでぐるぐる巻きにした為にケーブルが非常に曲がり難くなり、ハンドルを右に切る時に異常に重くなる事。これは完全に想定外。

ハンドルを楽に曲げるにはある程度ケーブルが自由に動かないとだめなので、ビニールテープで巻くのではなく、他のハーネスと同じようにビニールチューブに入れて保護しなければならないんだなぁ。

という訳で、南海部品で買ってきた保護チューブ(右)と、やっつけ仕事のバッテリー接続部をきれいにする為の3Pコネクタ。

上がテープでぐるぐる巻きにしていたハーネス。

買ってきた保護チューブを適当な長さに切って樹脂管からコネクターの間にかぶせる訳だが、既に端子を圧着している為に通ら無い。

といって反対側からだと、今度は樹脂管が邪魔して通らないので、結局一旦巻いたテープをすべて剥いでチューブを通す事になる。

で、これが完成した奴。

ぐるぐる巻きタイプと違い、非常にしなやかに先が曲がる。

やっぱりこうじゃないとだめなんだ。

   

リレーも最初はギボシで繋いでいたのだが、3Pのコネクタでまとめた。

テープでぐるぐる巻きにして絶縁、防水、固まりにしたが、これならやっぱり自分で小型リレーを買ってきて、小さなケースにでも入れた方が良かったような気がする。

   

今度はちゃんと通したハーネス。

ハーネス側も3Pの端子。

   

リレーユニットはバッテリーとエアクリーナーの間の隙間(タンクをボルト止めするフレーム)に押し込んで、コネクター接続。

 

完成。

   
2.1 ちょっと変更

何をぼけていたのか、コネクターに持ってくるはずのGNDラインを、直接ハーネスに接続してしまい、直接接続するはずだったリレー側の+12Vラインをコネクター経由にしてしまった。

これだと不細工だし、コネクターの差し替えだけでリレーユニットが外せる、また元の電源ラインに戻せるという利点が無くなるため、一部配線を修正した。

本来はこのようにリレーユニットに+12VとGNDが送られないといけない。

修正してすっきり。

こちらはハーネス側。

これも修正してよけいなラインが無くなり、すっきり。

元々のヘッドライトの電源ラインに戻してやるには、このようにハーネス側のコネクタ同士を繋いでやればOK。

ヘッドライトユニットから線が往復しているという嫌いはあるが、リレーハーネスのヒューズが飛んだ時等は、応急処置的にこの接続が使える。

リレーハーネスを使用する時は、こっちの接続。

これも余分な線が無く、すっきり。

リレーユニットはバッテリーの上、タンクを止めているボルトの台座に押し込まれ、コネクタやヒューズボックスも左右のサイドカバーの防水(?)ゴム内に入ってすっきりとする。

   
 
 
3.感想

テスターで電圧を測定した所、次のような値となった。

エンジン停止時のバッテリー電圧は 12.15V 。充電電圧(エンジン稼働時)は 14.8V 。

  エンジンOFF エンジンON
ノーマル LO 11.08V 14.11V
HI 10.97V 14.05V
ハーネス LO 11.59V 14.47V
HI 11.55V 14.47V

エンジン停止時で 0.51V 〜0.58V の電圧上昇、エンジン稼働時で 0.36V〜0.46V の電圧上昇が得られた。

1V ぐらいは変わるか?と思っていたので、ちょっと期待はずれというか、元々のハーネスが結構優秀だというべきか?

とりあえずちょっと夜間走行してみたが、それほど変化したという気はしない。

高効率バルブに換えたらちょっとは違うのかな?

 
4.という事で、高効率バルブ

せっかくバッ直ハーネスを作ったので、高効率バルブなんてせこいことを言わず、ハイワッテージバルブを入れてやろうと思ったんだけど、売ってない (T^T) 。

自動車やオートバイのレンズやリフレクターがプラスチックになってハイワッテージの熱に耐えられないのと、ハイワッテージを入れるならHIDの方が効率的な為か、各メーカーもハイワッテージバルブの生産をしていない模様。

なのでもう仕方なく、高効率バルブを入れる事にする。

白いのはいらないので、色温度が低いクリアバルブの明るいものをホームセンターに探しに行った所、二輪用は無いものの、車用ので要件に合うのがあった。

それにするかと手に取った所、その横に「598円」のびっくりプライスでぶら下がっているバルブが目に入り、衝動に駆られてそれを購入。

ベイテックス(株)のBB−110ってバルブだけど、後で調べてみると、安いかわりに寿命は短いという、お値段なりのバルブらしい (^^; 。

ノーマルバルブは PHILIPS  の 60W/55W が入っていた。

 
リレーハーネス ノーマル配線
純正バルブLO
 
純正バルブHI
 
高効率バルブLO
 
高効率バルブHI
 

一応リレーハーネスは効果があるみたい。目で見ていて、ロービームはあまり差を感じないけど、ハイビームはちょっと明るく感じた。

問題はこの安売り高効率バルブで、色温度3800ケルビン程度なのに、変に白い。白いというより青白く感じて、ちょっと車検はヤバいか?と感じるような色合いである。

また実際に目で見ていると、明るい事には間違いないのだが、なんかそれほど明るく感じない。

う〜ん、所詮は安物か。

 
5.という事で、怪しいハイワッテージバルブ

ということで、ネットで探していたら 100/90W と言う名目で売られていた、怪しいハイワッテージ(?)バルブを発見。

ほんとうにハイワッテージなのか、変な高効率バルブなのかも分からず、外国製とあるだけで製造国も分からない怪しい製品なんだけど、本体に 100/90W と刻印されている事と、「2分以上停車する時は消灯する事」といった注意書きがあったりもしたので、ハイワッテージである事に期待をかけ、でも失敗しても傷口を最小限にする為に楽天オークションで安く落札。

そしてドキドキしながら届くのを待ってたんだけど、届いた物を見て愕然とした。

これって、ヤフオクでもわんさか流れている怪しいバルブやん (--;

この「ハイイソテソシヂスチャチランソプシステム」の文字が、いっそう怪しさを誘います ... orz

気を取り直して取り付けてみた結果は、以下の通り。

 
ロービーム ハイビーム
ノーマルバルブ
 
安売り高効率バルブ
 
ハイワッテージだと思われる怪しいバルブ

良い意味で期待が外れました。明るいです。

また色合いも見やすい白色光で、先の安売り高効率バルブの変に「青い」白色光とは違い、ちゃんと明るい白い光です。

とりあえず、これで安心して車検にいけます(笑)。