HIDヘッドライト
 
1.はじめに

以前に取り付けた LED バルブはとっても明るいんだけど、雨の日が物凄く見えにくい。

雨脚が強くて路面に水の膜が張った状態だと、光が散乱されてしまうのか、ヘッドライトが点いているかどうかすら分からなくなるぐらいだし、白線もどこにあるのかさっぱり分からなくなる。

雨じゃ無ければ、これでもかと言うぐらいに明るいんだけどなぁ。


原因は 6500 ケルビンという高い色温度だと思うので、もっと低くしたいんだけど、LED は 6000〜6500K 辺りが主流らしく、低い色温度の物が少なく、あっても明るい奴がない。


と言う訳で、取付が面倒だけど HID に交換する事にした。

 
2.取付け

今まで使っていた LED バルブはHID屋の物だったけど、謳い文句通り爆光だったし、カットラインもきれいに出ていたので、信用して同じHID屋のコンバージョンキットを購入した。


またプロジェクターランプに 55W を使うとランプ本体が熱にやられるとか、35W だと明るさが物足りないとか聞くので迷ったんだけど、ショップに問い合わせたら、35W は、一目見ただけでハッキリ分かるレベルで今使っている LED より暗くなる、そして 55W をプロジェクタランプで使って問題が出た事が無いと、この手のショップにしては明快に答えが返ってきたので、55W タイプを使う事にした。

ちなみに、色々言いながらもやっぱり白い 6000K に心は揺れたんだけど、目的を優先して 4300K を選んだ。


 

先ずは防塵カバーに配線を通す為の穴を開ける。

グロメットが 24mm なので 24mm の穴を開けたら、コネクタがそれより大きくて入らない...orz

コネクタの押さえ部品を外したら 26mm ぐらいになったので、カバーを曲げたりコネクタを斜めにしたりしながら無理矢理通す。


しかし、ある程度柔らかいゴム製のカバーしか想定してないんだろうなぁ。

一つ完成。


HID は LED と違ってバラストやイグナイタをどこかに固定しないといけない。
昔乗ってたフォレスターは、エンジンルームに取り付けられる様な隙間が色々あったんだけど、208 は、エンジンルームは結構スカスカに見えて、いざバラストやイグナイターを固定しようと思うと以外と場所が無い。
そして固定できそうな場所は、上からだと手が入らない。


と言う訳で、グリルバンパーを外さないと作業出来ない。
でもそのためにはタイヤハウス内のカバーを外してバンパーを留めているボルトを抜かないといけないし、タイヤハウス内のカバーを外すためには車を上げてフロントタイヤを外さないといけない。

なのでGW中にウマを噛ませてゆっくりやろうかと思ってたけど、知り合いの車屋さんがリフトを使って良いというので、お言葉に甘えて使わせて貰って作業。


また、55W クラスになると、コネクタから電源を取るよりもバッ直にする方が安パイ。でもうちのクルマはエンジンルームの助手席側がゴチャゴチャと混んでいて、バッテリーの近くにリレーを配置したりアースポイントを必要とする市販のリレーハーネスでは引き回しにくい。
と言う事で、Aliexpress や Amazon やらで部品を集めてリレーハーネスを作ったんだけど、結局市販のリレーハーネスを改造した方が楽で安上がりだったなぁって感じで (--;


 

電源の取り出しはバッテリーのプラス端子からじゃ無く、ヒューズボックス内の端子(バッテリーから太い線が来てる)を使う。


この近辺にリレーを固定する場所は無いので、奥から運転席側に電源線を回し、運転席側にリレーを設置する。そしてそこから左右のヘッドライトに電源線を延ばす。
取り回しの距離が長くなるので、まぁ気休めだけど 2sq のケーブルを使用する(容量的には 1.25sq で十分)。

運転席側のバラストは矢印の所、フレームの上に両面テープで貼り付けた。

助手席側は、フレームの側面。
使われてなかった穴を使ってボルト止めした。


こんな感じなので、上から手を入れて作業するのは不可能。バンパーを外さないとだめなんだな。

で、同じ H7 バルブなので、今まで使っていた LED バルブはハイビーム側に持って行った。


このハイビームのバルブの取付けってちょっと変わっていて、通常はバルブの傘の部分を細い針金のワイヤーで押さえると思うんだけど、こいつは単にバルブを差し込むだけ。
差し込んだら傘の部分が金具に引っかかって固定される。

楽で良いんだけど、強く引っ張ると抜けるし、これで大丈夫なのかと少し不安になってしまう。


また、それは良いんだけど、運転席側だけバルブの向きとライトのリフレクターのカットの向きが合わない。

45°ずらせば合うので、鍔をヤスリで削って、45°ずらした部分に新しい嵌め合い部分を作って取り付けた。

   
3.一応点灯

左が HID 、右が今まで使っていた LED 。

絶対的な明るさは LED の方が上だけど、HID の方が色が見えるし、周囲にも少し光が散らばって見やすい感じ。

LED バルブはハイビームに持って行ったけど、こいつがまぁ明るい。ロービームよりもハイビームで使った方が良いんじゃないかい。

見かけはこんな感じ。

ハロゲンよりかは白いけど、LED に比べたら断然黄色い。

   
4.だがしかし

走り始めて暫くすると、突然ライトが消える。そしてちょっと経つとまた点く。


最初は接触不良かと思ったけど、コネクタや配線を揺すったり引っ張ったりしても何ともなく。
でも両方同時に消えるので、バラストやバルブの不良じゃ無く、電源、ってかリレー周りの筈。


試しにバルブのコネクタにバラストを直結すると、消える事は無いけど、チラつく。


ん、チラつくだと?
 

って事は、バルブのコネクタの電流か電圧かが不安定で、リレーが切れてしまうんじゃ無いかと推測。

試しに手持ちのコンデンサーをかませてみたところ、ビンゴ!全然切れない。
 

調べると、どうやらうちのクルマはヘッドライトに PWM (Pulse Wide Modulation) 制御が行われている様だ。
PWM は電流の ON/OFF を繰り返すので、バラストを直結すると電流の変動でちらつきが発生し、リレーを繋ぐとリレーの ON/OFF が発生するんだろう。そしてコンデンサーを繋ぐと電流が平滑化されて、リレーが切れなくなるんだな。


と言う訳で、PWM を平滑化するにはローパスフィルタを使うってのが決まりみたいなので、適当な部品で作った。

(流石に 1/4W の抵抗じゃ持たないだろうから、後で 3W の抵抗で作り直したよ)

リレーと一緒にタイラップで固定。

ちなみに、アースポイントは下の矢印の所にある。

   
3.感想

結論として、明るさは今まで使っていた LED が上。見やすさは HID が上。

雨の日も、黄色い色が幸いして、路面をライトが照らしている事が分かるし、白線や路肩が見やすい。
 

また、LED は前方の標識の反射が眩しかったりしたんだけど、HID はそんな事が無い。と言っても暗いという訳じゃ無い。
LED は絞られた強い光でビンと照らしていて、HID は太い光でバーッと照らしているという感じかなぁ。
 

でも、晴れている日は、LED の方が白線がピンシャンと見える。

6000K の HID ならもっと白線がくっきり見えると思うけど、この 4300K で夜もトンネルの中も雨の日もとっても見やすいから、これで良いや。